碧痕12 真空化
12 真空化
金融が奇怪なのは、或る価値の貨幣を以てそれ以上の数量の同じ価値の貨幣を贖うことを通して価値の下落した貨幣が(それとも知らず)流通することである。やがて、それは忽如として伸び切ってしまう。その価値以上の価値で流通しようと足掻くことに於いて打ち消されている背伸びが、祟るのである。それは、蜥蜴を代表すると同時に代表しない尻尾のようにとっくに切断されて行方知れずになっていたのに忽如として覚醒し、本物であると同時に偽物であり、器官の延長としての偽物に出現すると同時に失踪する本物の、この分業のエラー状態の露頭に面して(更には、貨幣の失語状態に面して)、懐疑としての生体反応(模写発作)が、恐慌である。器官の延長としての被造物(服従)に出現すると同時に失踪する命令の、その分業のエラー状態の露頭に面して(更には、媒質としての平均性の失調・真空化に面して)、懐疑としての生体反応が華厳であるように、被造物の複写能を模写して自生する(かの如くである)貨幣の、その二重の失調は、木の葉のように薄っぺらくなってしかも肉薄する。貨幣の、その曖昧であることの本物じみた厚みが念写されて鏡面やTV画面に(狐狸の気配に)閉じ込められたかのようである。この世のものの厚みが次元減衰して取り出せないのである。
「これは本当にワーテルローの戦いなのだろうか」という懐疑は、平均性の失調であるだけでなく、器官の延長の断崖の(この世が終わっている)次元減衰でもあるが、このようにして、法則的到達・保存も歴史的到達・保存も失調し、媒質としての平均性、提喩性が真空化しているのは、恐慌の消息でもある。
荘厳、恐慌の、その媒質の失調・真空化は、大気が寂漠に変わる真空化の如く、或いはまた、媒質としての大地が剥き出しになる大地震の、その、薄気味悪く(誰カガ揺サブッテイルミタイニ)肉薄する真空化の如くである。
お蔭参りとしての「ええじゃないか」は、勤王攘夷のように狐憑き状態の遡上であるが、本源は失踪しており、木の葉のように薄っぺらくしかも頭上にのしかかるのが、降札である。大義が、大地震で次元減衰してしまう大地のように今にも踏み抜きそうな薄氷となる真空化に面して、懐疑としての模写発作である。それは、身分、性差、形態といったこの世の差別(秩序)を踏み越える失調である。音響、運動、光明が具体となって出来事になるために打ち消され、疚しさとなって潜伏する、その潜伏の効果としてのあてどが、沈黙、静止、暗闇となって露頭する(あてどなくなる)応答であり、上位の出来事はmetamorphosis 、下位の出来事はmetaphorとして対位する。起源が出現すると同時に潜伏し、しかも露頭する、そうした遡上である。
金融が奇怪なのは、或る価値の貨幣を以てそれ以上の数量の同じ価値の貨幣を贖うことを通して価値の下落した貨幣が(それとも知らず)流通することである。やがて、それは忽如として伸び切ってしまう。その価値以上の価値で流通しようと足掻くことに於いて打ち消されている背伸びが、祟るのである。それは、蜥蜴を代表すると同時に代表しない尻尾のようにとっくに切断されて行方知れずになっていたのに忽如として覚醒し、本物であると同時に偽物であり、器官の延長としての偽物に出現すると同時に失踪する本物の、この分業のエラー状態の露頭に面して(更には、貨幣の失語状態に面して)、懐疑としての生体反応(模写発作)が、恐慌である。器官の延長としての被造物(服従)に出現すると同時に失踪する命令の、その分業のエラー状態の露頭に面して(更には、媒質としての平均性の失調・真空化に面して)、懐疑としての生体反応が華厳であるように、被造物の複写能を模写して自生する(かの如くである)貨幣の、その二重の失調は、木の葉のように薄っぺらくなってしかも肉薄する。貨幣の、その曖昧であることの本物じみた厚みが念写されて鏡面やTV画面に(狐狸の気配に)閉じ込められたかのようである。この世のものの厚みが次元減衰して取り出せないのである。
「これは本当にワーテルローの戦いなのだろうか」という懐疑は、平均性の失調であるだけでなく、器官の延長の断崖の(この世が終わっている)次元減衰でもあるが、このようにして、法則的到達・保存も歴史的到達・保存も失調し、媒質としての平均性、提喩性が真空化しているのは、恐慌の消息でもある。
荘厳、恐慌の、その媒質の失調・真空化は、大気が寂漠に変わる真空化の如く、或いはまた、媒質としての大地が剥き出しになる大地震の、その、薄気味悪く(誰カガ揺サブッテイルミタイニ)肉薄する真空化の如くである。
お蔭参りとしての「ええじゃないか」は、勤王攘夷のように狐憑き状態の遡上であるが、本源は失踪しており、木の葉のように薄っぺらくしかも頭上にのしかかるのが、降札である。大義が、大地震で次元減衰してしまう大地のように今にも踏み抜きそうな薄氷となる真空化に面して、懐疑としての模写発作である。それは、身分、性差、形態といったこの世の差別(秩序)を踏み越える失調である。音響、運動、光明が具体となって出来事になるために打ち消され、疚しさとなって潜伏する、その潜伏の効果としてのあてどが、沈黙、静止、暗闇となって露頭する(あてどなくなる)応答であり、上位の出来事はmetamorphosis 、下位の出来事はmetaphorとして対位する。起源が出現すると同時に潜伏し、しかも露頭する、そうした遡上である。


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