Wednesday, December 15, 2010

碧痕37 花咲く乙女たち

37 花咲く乙女たち
 「紅楼夢」の、あの、列挙せずにはいられない花咲く乙女たち、李がん、迎春、探春、惜春、宝釵、黛玉、湘雲、李紋、李綺、宝琴、岫烟、それに鴛鴦、襲人、平児、琥珀、素雲、紫鵑、彩霞、(憤死した金釧児の妹)玉釧児、麝月、翠墨、翠縷、それから(幼くしてかどわかされた)香菱も含めて、差し当たって、宝玉を魅するのは、虚の気配を消した「花咲く乙女たち」の解の平均値ではなく、和でもなく、「花咲く乙女たち」の諸解の間に挑むようにズーム・アップし続ける拡大の果てに、虚像に飛躍して顕れる「花咲く乙女たち」である。解を取り消す「種」が花咲く乙女たちにかかって、その取り消しに面して宝玉こそは顰蹙、愁訴するはずなのであるが、その顰蹙、愁訴が黛玉に顕れているために、その不随意の感染保存を通して宝玉は空けた度忘れ状態でいられるのである。

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