碧痕97 双子の霊
97 双子の霊
通り魔と被害者の裂目には海底がのぞいて震盪している。被害者に生贄であることが顕れたために通り魔は通り魔もそのことに被曝していることを度忘れしているが、しかし、それは喉元まで上り詰めて来ている。
これは、ナチと六百万のユダヤ人の間にもちあがったことであり、神と被造物の間にもちあがっていることの半抽象である。すなわち、過ぎ去らない衝撃が半ば過ぎ去っている。それが過ぎ去っているというのであれば、それは単に程度としてのホロコーストに零落(世俗化)する。
被害者が身につけている「私」というものが地盤を奪われるように、通り魔も何かを想い起こしかけているようで実は何処かからか命令が届くように予期して震えているのであり、それが、総掛かりの陰謀の肉薄のような、或いは、単独で催眠術にかかっているような、被曝なのである。
アブラハムとイサクの間にもちあがったことも、出来事として到達・保存されない。神は通り魔の如く到来・通過し、その本質(その証明)が被造物であるのならば、ナチの本質は六百万人のユダヤ人であるのだろうか。とすれば、この対い形成には、互いに余計なものに似ようとする双子の霊がかかっている。
通り魔と被害者の裂目には海底がのぞいて震盪している。被害者に生贄であることが顕れたために通り魔は通り魔もそのことに被曝していることを度忘れしているが、しかし、それは喉元まで上り詰めて来ている。
これは、ナチと六百万のユダヤ人の間にもちあがったことであり、神と被造物の間にもちあがっていることの半抽象である。すなわち、過ぎ去らない衝撃が半ば過ぎ去っている。それが過ぎ去っているというのであれば、それは単に程度としてのホロコーストに零落(世俗化)する。
被害者が身につけている「私」というものが地盤を奪われるように、通り魔も何かを想い起こしかけているようで実は何処かからか命令が届くように予期して震えているのであり、それが、総掛かりの陰謀の肉薄のような、或いは、単独で催眠術にかかっているような、被曝なのである。
アブラハムとイサクの間にもちあがったことも、出来事として到達・保存されない。神は通り魔の如く到来・通過し、その本質(その証明)が被造物であるのならば、ナチの本質は六百万人のユダヤ人であるのだろうか。とすれば、この対い形成には、互いに余計なものに似ようとする双子の霊がかかっている。


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