Friday, September 23, 2011

碧痕108 地獄のヴォリューム

108 地獄のヴォリューム
 「悪魔」との契約の水準に於いては、「二重の存在」は秘密になっている。というのも、契約の根底は妥当要求の一つとしての誠実であり、擬態であることが秘密である限りで妥当要求は発生するからである。擬態の気配が消えていれば「二重の存在」も気配づかない。擬態の霊の活動は、真も偽も気にならない化を貫く到達・保存の衝動が、まるで孫悟空が身をひと揺すりするように擬態を鎧ってしかも擬態であることが秘密になって、真偽、虚実が気になり出すのである。「魔女」が「悪魔」の息吹にふくれあがっているとすれば、それは、「二重の存在」が満ちているかに見えて、実は、この二重の秘密の気配を鎧っているのであり、「悪魔」が約束するのは擬態の解脱ではなく、模写であり、仮のものの縁生の、その、地獄のヴォリュームに支えられて仮のものではなくなる安らぎ(或いは窒息)であり、身をひと揺すりすると俄然仮のものに連れ戻されて何も惜しくはなく、もうひと揺すりで俄然ヒドラの気配がもう一つのエラー状態に振れて何か惜しい、その、いつまでも満たされない邪悪、メランコリー、懐疑である。
 J.Micheletは、中世を模写を以て要約する。しかし、この有性生殖は、その二つのエラー状態(闇の責めの二つの祟り返し、単性生殖と神経衰弱)との間に振動して、海の波のゆれ動きの如く邪悪であるのを、ガリレオの、デカルトの、フロイトの覗き穴(目の、common senseの、自覚の延長)は、曙光であるかのようにとらえるのである。

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