Friday, November 04, 2011

碧痕121 ライラの症状

121 ライラの症状
 尼僧院の、機械のように刻んでいくが不分明な(嬾い)日常の代わりに、カナダとの国境近く二重性の国に犬が吠えるような威嚇、ライラの症状が顕れている。それが「Twin Peaks」(David Lynch )である。
 それは、告白でも伝聞でもなく、推理でもないが対蹠的に恐喝し、神託じみた説得であり、「Twin Peaks」は、既にあたら17の若い娘ローラをヴィニール・シートで梱包して生贄として差し出してしまっていて、殆ど放心している。殆ど、というのは、秘密を手放すというのではなく、謎解きがスリラーともミステリともつかず、その複合(thril・mystery)というのでもなく、深い森の気配を知らぬ間に呼吸して振動しているからである。
 環境としての悪魔的なものの振動が、深い森にひそみ棲むというように気配づくのは、その二重性(媒体性、隠喩性)がそのようにして分節されないではいられなくなった、しかも他の誰かの舌を通して告白しないではいられなくなった説得の衝動であり、虚栄である。

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