Saturday, March 17, 2012

碧痕165 あるはずのない写真

165 あるはずのない写真
 擬態を鎧った世界が一度も離脱したことのない「新世界」(化)に連れ戻される覚醒の、その二重性、逃避しても何処までも追って来る(見レドモ見エヌ)「新世界」は、世界の方程式が予期する範囲でずれる負の解なのではなく、その方程式に矛盾する範囲なのに思いがけなく(従って、半ば予期する範囲で)迫り上がる。虚数の解として「新世界」が予期されている如くなのであるが、というより、法則も歴史も気にかからない(従って、写真にうつるはずもない)「新世界」をその、あるはずのない写真がまるで予期する如くなのである。
 狼狽の効果から、予期が既視感に反転、転移する。「不滅の階段の一部を」上がっていく姿が自分の姿であるように分身が描写されるのは、既視感の変形である。

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