碧痕181 筒抜けで隠れない
181 筒抜けで隠れない
里見義実(「南総里見八犬伝」)が安西景連の首級を挙げるように八房に命令したのではなく、契約してすなわち互に器官の延長となって獲得するのである。もっとも、命令と服従の関係であったとしても互に器官の延長であることを免れているのではない。ただ命令する方はそのことを度忘れしていて、この度忘れ状態を解消するためであるかの如く予定されて聴耳を欹てている闇の勢力に八房は属している。隠れているもの(オニ)は、この世の姿をとろうとして出る機会を狙い澄ましており、そのためには呼び出されなければならないし、見つけられなければならない。
首級を銜えた八房に里見義実がギョッとするのは、それが命令すると同時に服従する本能の姿ではなく、しかしそれは、器官の延長として祟り返して鏡像のように自由、孤独、思考が剥奪された姿であるのに、伏姫を請求する、その姿に面してである。
その、伏姫を請求する姿は、金碗八郎の(諌めに)器官の延長として命令する仕方で玉梓の首(打ち消された密通性)を呼び出す里見義実の、その姿を映し出す隠喩である。つまり、伏姫は玉梓の首を孕み、地獄から管を通されて、里見義実が出現すると同時に潜伏する媒体として八房は祟り返している。そのために、義実の思考は八房に筒抜けで隠れないのである。
里見義実(「南総里見八犬伝」)が安西景連の首級を挙げるように八房に命令したのではなく、契約してすなわち互に器官の延長となって獲得するのである。もっとも、命令と服従の関係であったとしても互に器官の延長であることを免れているのではない。ただ命令する方はそのことを度忘れしていて、この度忘れ状態を解消するためであるかの如く予定されて聴耳を欹てている闇の勢力に八房は属している。隠れているもの(オニ)は、この世の姿をとろうとして出る機会を狙い澄ましており、そのためには呼び出されなければならないし、見つけられなければならない。
首級を銜えた八房に里見義実がギョッとするのは、それが命令すると同時に服従する本能の姿ではなく、しかしそれは、器官の延長として祟り返して鏡像のように自由、孤独、思考が剥奪された姿であるのに、伏姫を請求する、その姿に面してである。
その、伏姫を請求する姿は、金碗八郎の(諌めに)器官の延長として命令する仕方で玉梓の首(打ち消された密通性)を呼び出す里見義実の、その姿を映し出す隠喩である。つまり、伏姫は玉梓の首を孕み、地獄から管を通されて、里見義実が出現すると同時に潜伏する媒体として八房は祟り返している。そのために、義実の思考は八房に筒抜けで隠れないのである。


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