碧痕223 種の拒絶
223 種の拒絶
地上(「堕落」)では、「死の棘」は、個の出現にかかる罪である。寿命を鎧うこと(知恵)が罪なのであるが、一回性が罰であるかのように思い違いして罪であることを忘却しているのが「堕落」であり、その罰があるとすれば、それは死後ということになる。死後なおも刑罰が及ぶように死体が塩漬けにされて保存されるように、「最後の審判」の理念としては厖大な数の死せる人々を保存し、しかも復活させなければならない。この死せる人々は、公的には死体に踏みとどまっているか元素に帰しているかであるが、私的には脱け出した魂であり、しかしこの擬似不滅は幻じみていて寿命が解けているのではなく、個であることの、その一回限りであることの罪を免れているのではない。
「最後の審判」は、死が平等で何もかもちゃらにしてしまうことを断じて許さない。律法に柔順に生きたか逆らったかの違いは死を以てしては均されないのであり、埋め合わせで違いを請求するのである。しかし個というものの違いは、埋め合わせられない。「最後の審判」の機能は、不毛な罰をどこまでも先延ばしして、罪に冒されている症状を保つこと、種を拒絶することである。


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