碧痕237 この世の現状
237 この世の現状
1秒間に10m進むアキレスが1秒間に1m進む亀と9mの差で同じ方向に進み始めるとして、1秒後にはアキレスと亀は同じ位置を占めている。
ところで、アキレスが進んだ10mは無限の中間点から成り、亀の進んだ1mも無限の中間点から成るが、アキレスが突破する中間点と亀の突破する中間点は1対1で対応するか。最後の中間点は、もうそれ以上には遡れない根拠に似て、思議が頓挫する。具体としての中間点としては、場所を占めない(実在しない)からである。最後の中間点の、その何処デモナイ場所(・意味)とは、追いつかれない亀と追いつけないアキレスの互角の遁走・追跡である。
アキレスが亀に追いつかないとする論理の方がまやかしなのか、追いつく方がまやかしなのか。
全体というものは無限と同じく予定調和的で、誰も証明したものも経験したものもいない。10m全体や1m全体を部分が代表しているに過ぎない。媒質としての提喩性をそれと知らず呼吸している限り(使いこなしている限り)全体は基数に属してアキレスは亀に追いつくが、使いこなせなくなると全体は序数に属して追いつけなくなる。
追いつくような世界が追いつけないような世界を打ち消して縁生していることが、この世の現状ということになる。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home