碧痕243 迫る被造物の気配
243 迫る被造物の気配
迫るdivine scheme の気配は、絶対のえこ贔屓として降りかかる。それは、個に命中するというより、他の誰かに降りかかっている如く届く呼び出し(被造物であること)なのである。日常性に包まれているものは被造物ではない。
数の奥行は、秘密結社の占有するものではないが公共のものでもなく、隠沼がどの地図にも載っていないように、数学のどこにも記載されていない。それは出来事として降りかかるのではなく、胸騒ぎであり、眼前に不意に豁然と打ち寄せる久方のしき波の如くにして、歴史的到達・保存ではない。
博士が、数に導かれて至る発見を、先取を争うような手柄ではなく、こっそり複写したに過ぎないと謙遜するとき、しかし、博士は模写するのではなく、模写を解いて(unlearnして)scheme が被造物となって宙に浮いたのである。虚実が収斂して、被造物は実在するかという問を挫折させる。


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