Wednesday, February 13, 2013

碧痕276 超個体的なものの即興

276 超個体的なものの即興  家の内部にいるサンティアゴ・ナサールの母親の位置からは、家の扉に向かってサンティアゴ・ナサールが逃避する姿が見えなかったこと、息子が部屋にいるものだとばかり思い込んでいたこと、扉の隙間から見えたのはパブロとペドロであったことなどが反応し合って、サンティアゴ・ナサールの目前で、息子を庇おうとした母親の手で扉が閉められ致命的に閂が下ろされる。思いがけないが予期されていたことが起こったのであり、命令としての「亡霊」に矛盾しない範囲で即興的に素材を間に合わせてずれながら超個体的なものの「力の接触」が出来事を占拠したのである。予言通りになることをを避けようとすることがそのまま予言通りに嵌ることへ導かれてしまう即興の、もう一つの事例である。(「予告された殺人の記録」G.Marquez)

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