碧痕281 覚醒(witness)
281 覚醒(witness)
瘧のようにぶり返す、人類の漠とした危機に面して、人類の認識の限界、いかに器官を延長しても法則的、歴史的到達・保存という制圧の(従って現実の)限界、平均性と提喩性を媒質とした認識の限界を踏み越えること、雪男が見つからないのは顕在内容としての雪男はどうでもいからであり、どうでもいいのではないのは認識の限界を踏み越えた地下の資源(地獄のヴォリューム)の模索なのではないか。つまり、雪男探索は、この潜在内容の模索なのである。
雪男の存在は、人類の認識が縁生するために打ち消されて沈んだものの、その眠る暗黒を写真のように代表している。しかし写真には写らない。死体さえ見つからないのは、雪男は、生体であれ死体であれ、個体(subjectum )ではないからである。雪男は、Mona Lisa 幽霊船、UFO のように、覚醒するとしても、発見されることはない。この覚醒が、witness である。


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