Tuesday, December 31, 2013

碧騒383 治療、再発、転移

383 治療、再発・転移  邪悪な決定不能の衝動(場所となって潜伏する衝動の違反)は、癌の如く、再発、転移する。  スサノヲが暴れるのも、オオクニヌシの苦難も山幸彦の格闘も、ツマドヒというものがいかに難問であり、対い形成というものがどう導かれるものなのか、その再発、転移である。それは、単なる反復ではなく、遡上を極める。  オオクニヌシが通りかかる場合、八俣大蛇は勢揃いする八尋鰐とオオクニヌシの八十の兄弟とに分岐、谺し、ヲロチに抱き竦められた生贄の姫は八上姫と素兎に分節され、谺している。八尋鰐と八十の兄弟が筒抜けに吹き替えられているように、八上姫と素兎も筒抜けであるが、対い形成に導くのは退治ではなく、治療である。しかし、疚しさとなって潜伏した決定不能の衝動は八十の兄弟の陰謀、 迫害に相を変えてオオクニヌシを襲う。素兎を治療することは、対い形成へ導くだけでなく、そのようにして場所が暴れることの再発、転移へ導く。  山幸彦の下降も、治療である。釣鉤の紛失は本当の持主の接近に光り出すことを半ば予期している。釣鉤と海の幸こそは山幸彦の幸であることを海の底で藻掻くように思い出そうとしているのである。山幸彦の「物へゆく道」はウミサチヒコと呼ばれる衝動が場所となって潜伏することであり、その障害となって立ちはだかるのは海幸彦であるが、山幸彦はウミサチヒコの媒体であり、海幸彦の器官の延長であり、海幸彦と山幸彦の分節は、生贄であることのおののきを、海の幸と山の幸ではなく、同一のものであることと同種のものであることに分割、それぞれ代表して緩和する。しかし、治療の極みは、産屋で豊玉姫が魚族の形相に抱き竦められているおぞましい胴震いを覗き見ることである。

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