Monday, January 06, 2014

碧騒385 嫉妬が肉薄すること

385 嫉妬が肉薄すること  一目惚れとしての目合(まぐは)ひが、根の国に下降したオオクニヌシとスセリ姫との間にもちあがる。オオクニヌシが海辺に出て、いきなり素兎や海がしかもずっと狙い澄ましていたように筒抜けにしゃべり出すのは、もっと奥から吹き替えられているのであって、本当の持主の接近に光り出すものの前触れであるが、次にいきなりに(しかも更にずうっと狙い澄ましていたように)しゃべり出すのはオホ禍ツビで、オオクニヌシが何か漠として魘されるように紛失しているものへ、物というより、奥底から吹き替えられることへ、オオクニヌシを導く。というのも、被迫害や試練などの症状へ転移する覗き穴の紛失を通してオオクニヌシの手元に迷い込んで来たものは、禍を祓う生太刀や生弓矢よりも、天ノ詔琴であるからである。  琴頭に神が降りて来て詔言することは、目合ひしたスセリ姫の舌を通して吹き替えられもする。本当の持主の接近に光り出すことや一目惚れの、その本当の持主が単数ではないことの、この秘密、衝撃や胴震いが、驚きや懐疑だけでなく、スセリ姫を襲う嫉妬が肉薄するものである。

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