碧騒394 中間性の瓦解
394 中間性の瓦解
家具や美術室の石膏像の、闇を貫いて自らを持する「私」の如き同一性が忽如として目を見ひらいて驚かすとすれば、それは、その同一性が疑わしいのであるが、驚くべき同一性として分節されかねない。しかし、戦慄的なのは中間突破する「私」の如きものではなく、中間突破(の頓挫)、物と場所の解離(の頓挫)である。闇と感じられている最終状態が家具や石膏像に貫かれていることに面して、最終状態が家具や石膏像を占拠していて、意味深く、目配せじみ、魑魅の如く迫るのである。
物が占める場所と物としての場所の解離からの、場所の入れ子状態・意味の入れ子状態は、場所や意味が宙に浮かないようにする。すなわち、場所や意味があふれ出すのを抑えつけて場所や意味が詰まっているかの如くにする。こうした日常の中間性は、物としるしの解離であり、寂漠、いきなり犯人が籖で決まる気配、約束の気配は、この、中間性が瓦解する気配である。


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