碧空452 呪術、比喩、擬態、解脱
452 呪術、比喩、擬態、解脱
出力というものは命令の保存(化)である。ロシアと呼ばれる命令の保存、すなわち出力としてのスタヴローギンの到来を太陽を待つように期待する。ロシアの大地(の体現)をスタヴローギンとして扱い、ロシアの大地がスタヴローギンの影となって潜伏・解離するのは呪術であり、蜻蛉を切って、スタヴローギンをロシアの大地として扱い、意味としてのスタヴローギンがロシアの大地の影となって潜伏・解離する含蓄は比喩である。波と呼ばれる形式の保存、すなわち波を映し出す媒体としての光に面して、波を光として扱い、波が光の影となって潜伏・解離するのは呪術であり、光を波として扱うのは比喩である。波と呼ばれる命令の保存、すなわち出力としての光が影としての波と解離しないトランス状態(化)では、比喩と呪術の区別はつかない。この、光の広がりと波の重なりの一致、眩惑、剥き出しになった最終状態が、時として悠久と呼ばれる。
分化した先で、厳しい環境の下で、初期状態が再発する。危機に面して原初の危機を発作的に模写するように、転移発作的に眠り込むように初期化して、その万能細胞から生まれ直そうとするのかどうかは疑わしい。認識(同等化、単純化としての分別)が擬態に過ぎないように分化も擬態に過ぎなく、擬態が失効すれば分化は解けるということなのだろうか。これは何やら、危機に於いて誰でもなくなる下降や、黒化を通じて新生する錬金術的な生まれ変わりに酷似している。これは、新生の前の初期状態とその後の分化状態とを潜勢的に同一のものとして扱う呪術であるが、その連続性に面してそのことが疑わしくなるとすれば、それは、潜勢的に同一のものであることの現勢も解脱してしまうからである。


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