碧空453 呪術と比喩の間で
453 呪術と比喩の間で
「心底からそう感じているくせに、それらしく装っている」(「未成年」ドストエフスキー)
これは何かの心理であるとしても、呪術と比喩の間で二重に蜻蛉を切るのである。
思いがけなさがそうである。それは、心底から思いがけないのに(蜻蛉を切って)予期していなかった振りをする。すなわち、実は予期していたのであるが(蜻蛉を切って)思いがけない、そうした反語性の含蓄なのである。
袖触れ合う隣人に面してあさましがる、その、裂目が覚醒(おどろ)く、その驚きは、心底から目覚めたのに目覚めたような振りをする。実ハ目覚めていないのに心底カラ目覚めているような、何かそんなふうに混乱して(こっそり)うたぐっている。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home