碧空463 来るべき進化
463 来るべき進化
I renounce God. Vengeance is mine.これが、吸血鬼Dracula の由来である。復讐としての虚無、しかも「私」と復讐の間の所有格、主格、目的格、同格は収斂して「私」そのものが復讐であることの(埋め合わせが虚無であることの)その、輪郭喪失、つまり、中間突破に面してそのことが疑わしく、吸血は、輪郭を回復するために伯爵が領地の城から運んで来た土の中に眠らなければならないように、中間突破する呪術として、極端に私的であることの、その輪郭喪失から輪郭を浮かび上がらせるためである。これは、輪郭喪失が感染することでもある。しかし、毒を盛ることが秘密を分け合う奇妙な虚栄であるように、吸血もトランス状態で輪郭喪失を共にすることになる。この感染、この奇妙な虚栄と信用状態はDracula 伯爵と呼ばれ、その実体は恐慌とグロテスクであるが、これは来るべき進化なのだろうか。
輪郭としての輪郭喪失は、「高野聖」とも呼ばれ、飛騨の山中に通りかかる旅人に不随意に一斉に反応して降りかかる山蛭の吸血を前触れとして、旅人が息を吹きかけられて蝙蝠、猿、馬に変形する輪郭喪失の感染を高野聖は危うく免れたのではなく、変形(輪郭喪失)が他の誰かに降りかかっているために、輪郭喪失(窃視)を共にしていることが度忘れの状態なのである。


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