碧空488 抽象の閃光
488 抽象の閃光
「半身」をカメラ・オブスクーラを通して捕獲する。若く小気味いいくらい高慢に咲き盛り、眩し過ぎるくらい不貞で、知覚することはおろか想像することさえできなかった、闇とも光ともつかぬ、Venus のかかった女体を、その、今は老い萎れた身体をカメラ・オブスクーラにして抽象する閃光が「不可侵性」を展翅する。(「老いた死者は若い死者に場所を譲れ」M.Kundera)
Venus 体が「不可侵性」を映し出す媒体なのではなく、「不可侵性」こそはVenus 体を写し出した痕跡であり、現実なのは「不可侵性」であって、姿を晦ましたJesus Christの痕跡である「復活」がJesus Christを誰と入れ替わったのか分からないように保存する媒体であるように、この「不可侵性」はVenus 体を影とする媒体である。Venus 体は老いる過程で涸渇して手術の傷痕などに萎縮するのではなく、「不可侵性」を現実にするために閃光を出して姿を晦ましたのである。
「復活」がJesus Christに取って代わるように、「不可侵性」はVenus 体に取って代わる。このことが、記念碑として起こる(しかも瞬く間にタイム・スリップする)抽象の閃光である。


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