碧空504 生贄であることとして迫る奥行
504 生贄であることとして迫る奥行
「it」は「It」に拡張して顕在化する瞬間に「it」に収縮して果てしもなく後退してしまう。中間突破に頓挫するZenon 的なものを記念するように「It」の場所となって潜伏する命令は「亀」であるが、「It」と「亀」が解離する限りで「It」は寿命を鎧い、「我」を鎧ってしまう。しかしこれは、「It」が打ち消されるようなものである。「it」は隠れなさに抵抗するのではなく、隠れない気配だからである。
「it」は死の気配のように、隠れなさに抵抗する覗き穴の効果を奪って隠れなくするが、また死や一回性の気配のように潜んでいられる。自由、孤独、思考を脅かす「it」にビル・デンブロウとその仲間が曝されたのは、孤独とは正反対のものに触れたのであり、しかしそれは、stand-by-me ではない。孤独と寄り添うことの差異は程度の差でしかなく、しかし、「it」は孤独を擬態として鎧うような何か、metamorphosis (出来事や経験の頓挫)である。到達・保存の衝動としての「亀」は場所となって潜伏しないのである。
ところが「It」は、矛盾した命令に包まれていて、神経症のようである。これは転生して、生贄であることとして迫る奥行が症状になる。


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