Sunday, January 25, 2015

碧空513 捕食連鎖の極点

513 捕食連鎖の極点  as idle as a painted ship upon a painted ocean(「Dracula」B.Stoker)  Dracula の到来を前触れる唐突で法外な嵐の、その前兆は、テンペストを孕んだ現実の海上の、帆を残らず揚げても風を孕まない惰眠状態のなかを航行する外国船が、そのまま現実の静止画像として何処かにあって何か致命的に感応している、といった胸騒ぎなのである。  その、漠とした(しかし致命的に肉薄する)隠れなさに、ひそひそ訴えかけるにも周りの空気にさえ聴かれているようで口を耳につけないではいられない。  whispered with his mouth to my ear as though fearing the very air might hear(「Dracula」)  大地震のように逃げ場のない気配、there is something in this ship とか、there seems some doom over this ship といった捕食連鎖の極点で、Dracula は輪郭を解いて船との区別がおかされている。  それは、隣人との区別がおかされて所在不明になるJesus Christの転写である。Bacon によれば人の姿をしている疫病のように、Dracula に首を咬まれた人が感染したDracula は人の姿をしているために、Dracula (の正体)を目撃したことにならない。しかし、それがDracula だと明晰に分かるのは、Dracula の予期に即興的に選び抜かれて狩り立てられているからであり、選択の余地はない。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home