Wednesday, January 28, 2015

碧空514 被捕食と一目惚れに分裂する響

514 被捕食と一目惚れに分裂する響  「注文の多い料理店」(宮沢賢治)の、その下腹部に赤ちゃんのように居座っているのは、灰であること塵であること露であること、つまり、被捕食の観念である。ユダヤの律法のようにうむをいわせず注文(命令)の多いことが良質の羊の必須条件である。  因縁がぎっしり(地獄のヴォリュームを二重螺旋状にして)上り詰めていることが、「真景累ヶ淵」(円朝)のように、一目惚れにゴーストがかかる必須条件で、「道成寺」の鐘が孕むのは、被捕食と一目惚れが解離しない響であり、雌の大蛇の飽くなき追跡の気配と、Minaにうむをいわせず迫るDracula の気配とでは、性差が反転しているだけである。  「審判」「城」「アメリカ」(F.Kafka )に顕れた呼び出しは追跡、拉致、失踪と区別がつかないが、Jonathan、Lucy、Renfieldを器官の延長としてMinaに顕れた呼び出し、肉薄、失踪は、マリアに顕れた凌辱、媒質変化と区別がつかなく、マリアの下腹部に居座っている復活の響は、被捕食と一目惚れに解離(分裂)している。

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