碧空515 Draculaの反抗、そして不眠症
515 Draculaの反抗、そして不眠症
「復活」から脱け出せないことの、そのnight-existence 、Dracula が、曙光で消滅するはずもない。白日の下で塵と灰であるDracula が白日を恐れるのは、塵と灰である被造物であることへの反抗である。下水道の奥地に大蜘蛛の如く太陽の如く居座っている「IT」(S.King)は、この恐ろしい白日をもうつしとるはずだが、Dracula の反抗は、こうしたitから脱け出そうとする自由、孤独、思考を鎧って潜むことである。しかし、鎧った覗き穴も輪郭も位置も不如意に解けてしまうために、陥穽や牢獄のような狭い暗所の柩で覗き穴や輪郭や位置を回復しようと足掻かずにはいられないのに、変幻自在であることや体を細くしてどんな隙間も通り抜けられるというような異能こそがDracula を限定するという矛盾、葛藤を抱え込んでいるのである。
「復活」から抜け出せない症状は、逃げ場のない最後の審判のようにつきまとう陰謀と追跡の包囲の気配にも、「プレパラートに載せられて顕微鏡で覗かれている生物」のような気がして来る「不眠症」(S.King)にも転生する。それは、伝染するのではないにしても人の姿をとって、こんなにも孤独で隠れているのに何か隠れなく、しかも、こんなにも隠れないのに何か隠れていることから脱け出せない症状である。
眠れない夜に、クロロホルムを嗅ぐこととしてではなく覚醒しているための吸血の衝動は、抗鬱の発作であって、吸血せずにいられないのは眠れないからであるというのに、吸血してしまう錯誤発作である。屋敷中を闇に沈めるのではなく、屋敷中の照明を点けて回らずにはいられない(怖いので暗がりに身を潜めて隠れるのではなく、逃げ場のないことを身を曝すことで発作的に模写してしまう)ように、眠れないことを覚醒で模写してしまう発作なのである。


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