Thursday, February 12, 2015

碧空519 バーソロミューの帽子の起原

519 バーソロミューの帽子の起原  Aを、縁生的に輪郭づけるB(A against B )と、化的に(すなわち、CがAとなって出現すると同時に潜伏するように、つまり、AはCの媒体であるように)輪郭づけるC( C in A )との関係は 比喩であり、Aはその意味である。逃げ場のなさをAとするならば、大洪水や大地震はBに属し、最後の審判や死や運命や神の気配はCに属する。潜伏するBやCを場所として現実にする(浮かび上がらせる)ために潜伏する影が逃げ場のなさである。  輪郭づけるためにBやCは打ち消されて潜伏し、潜伏している限りでAには時間がかかるが、剥き出しになるとゴーストがかかる。「スタンとジョージアのエバリー夫妻は、ビールを飲みながら、串に刺したソーセージをバーベキュー・ピットの炉にかざしてくるくるまわしている。」(「不眠症」S.King) この光景が媒質変化しているのであれば、アウラのかかった光景に茫然と立ち尽くすことになる。時間がかかっているありふれた光景なのではなく、ゴーストがかかって光景そのものが前触れなのである。  「バーソロミュー・カミンズの500 の帽子」(「不眠症」S.King)では、高貴な身分の方々がやって来たら、帽子を脱がなければならない。バーソロミューはもちろん心得ていて帽子を脱いだが、なんと脱いだ帽子の下からそっくり同じ帽子が、なんど脱いでも姿を現わすのである。この後退する帽子は、そっくり同じ帽子(A)と場所となって潜伏したCとが解離しないでゴーストがかかるのではなく、化の断面から脱け出せない入れ子の系譜の何処かに位置している。  捕食連鎖の極点に鎮座するビー玉の大きさの球体はブラックホールのように何もかも吸い込み、地獄のヴォリュームを孕んで死の袋とも黒い繭とも黒い卵とも呼ばれているが(「不眠症」)、それが出現するために吸い込まれたかに見える一つ一つのものが縁生するためにも地獄のヴォリュームが打ち消され、場所となって潜伏しなければならない。死の袋は捕食連鎖の極点で自ら吸い込まれて後退することになる。この無限の後退が吹き替えられて、バーソロミューの帽子のように、黒い卵に鎮座していた指輪は取り除くとその下からそっくり同じ指輪が姿を現わすのである。

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