Wednesday, February 18, 2015

碧空521 意図された偶然(何か自由ではない)

521 意図された偶然(何か自由ではない)  個々の人々にはブラウン運動をさせておいても、その運動の平均は或る方向を指す。個々の関心・興味・利害は、結局は、種の関心・興味・利害に収束する、あるいは矛盾しない。つまり、個々の人々の出現はそれほど自由ではなく、何か決定的に拘束されている。  意図された偶然では、絶体絶命を脱することは足掻きでしかない。地下室の拷問を逃れて脱出し、次々と迫る関門と追跡を躱し、水底のような中央アメリカから、ニューヨーク46丁目の何も変わらないかに見える日常に浮かび上がって、深呼吸するようにマルボロを吸ったとしても、それは、何をしたらいいのか分からない延命のように、虚脱でしかない。  ハッピーエンドは空想であり、隅田川沿いに首都高速は何事もなかったかのように昼も夜も流れていても、タイム・スリップのように何か自由ではないという思いはなおらない。

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