碧空564 孫次郎の出現(apparition-like suddenness)「もうひとりいる!」
564 孫次郎の出現(apparition-like suddenness)「もうひとりいる!」
「Dracula」(B.Stoker )は、Mina Harker が、巻き込まれた人々の日記、日誌、録音、手紙、メモ、新聞各紙からの切抜きなどを編纂したchronological order に変装しており、その限りで、この時系列は0.9recurring、一回起こることに限りなく迫ることに面して転移発作的に飛躍して一回起こったと分かる。しかしそれは、ズーム・アップし続けて不意に静止画像(虚像)に変わるのである。
1959年、音更川流域
1-1 士幌線の通る土手に一日佇んで、遠いが確かな追手の気配に、思いはもどかしい。その気配がますます確信に変わるのとは逆に自分がいよいよあやふやになる。日が暮れ、今日もとうとう追手の気配は身近に迫らなかったので、(戦時中工場として使われていた木造の)倉庫の奥の(実際には踏み込んだことのない暗闇の中の)長持ちのような箱の蓋を開けて、その中に入り込んで、休眠する。
1-2 向うに川の土手が左右に伸びている。土手の向うは薄明るく、こちらは暗い。土手を2頭立ての(きっと迎えの)馬車がシルエットになって進む(というより、鈴音がシャンシャンと進む)。私は土中に深く沈んでいく(が全てが見える)。


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