Wednesday, July 15, 2015

碧空571 神秘の零落

571 神秘の零落  「And Then There Were None」(A.Christie)の島では、Jesus Christが誰に入れ替わったのか分からないような隠れなさ(自由、孤独、思考の剥奪)が陰謀の気配に変装して包囲し、島が宙に浮いてしまう、そのthe sense of some presenceに抵抗して、その気配が、双子のトリックや、殺害者が死体を兼ね犯人を探す者が犯人に入れ替わるような二重性のトリックに変換されて、「もうひとりいる!」神秘は、ミステリに零落する。  「Alien 」が潜む宇宙船は、もうひとりいるはずの島、密室の島、そのもうひとりが脱出したはずの(しかし認識されたと感じる)孤島のエコーであり、どんなに叫んでも誰にも聞こえない宇宙に拡張してエコーし、場所との区別がおかされたAlien は入り組んだ配管網に遍在して、「もうひとりいる!」気配(媒体性)は、獰猛なAlien の幼生体がヒトを宿主にし餌食にする寄生の気配に変換されている。  同じようにして、子供たちが遊んでいると「いつの間にかひとり増えている!」座敷童子やいつの間にか一段増えている階段の気配もぞっとするが、その、妊娠したような意味深さの気配(the sense of some pregnancy )に、特別の親しみとおかしみが込み上げても来る。

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