碧空573 感染潜伏期の不覚、不如意の振顫
573 感染潜伏期の不覚、不如意の振顫
to be or not to be のような究極の選択に於いて、or(離接)ではなく、and(合接(at once to be and not to be))を選択してしまうことが、Hamletにはもちあがるだろうか。しかし、そもそもこの離接か合接かの選択は選択なのだろうか。というのも、un-dead状態が潜伏するようにする選択の擬態を鎧うことそのものは衝動だからである。
甲冑を鎧った大ハムレットのこの世ならぬ出現と告発は、大ハムレットの声帯を通して、叔父と母の間に顕れたために度忘れしている媒体性と姦通性を小ハムレットが告白しているのである。「the sense of some presence」の神秘がミステリに零落するように、「the sense of some pregnancy 」の神託は恐喝に零落する。小ハムレットが目には目をで発作的に打ち消そうとするのは、器官の延長であることから、またVenus がかかっていることから藻掻き出ようとするのである。to be かnot to be かを選択することに揺れるのではなく、実は、to be or not to beとat once to be and not to be の間に(「私」というものを鎧うこととそれが解けることとの間に)振動している。これは、Dracula に冒された凌辱に耐え気丈に振る舞いながらも(別のいきものが潜んでいるかのように)唇がめくれあがって犬歯がのぞいてしまう 感染潜伏期のMina Harker の、その不覚、不如意の振顫でもある。


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