Monday, August 03, 2015

碧空582 アウトリュコス的なもの

582 アウトリュコス的なもの  Odysseusの祖父Autolycus は、盗んだ物の姿を変えたり、盗んだ物や自分の姿を見えなくするスピリットの媒体である。行方知れない輪郭を探して蝙蝠や狼、鼠や霧や部屋に変形して彷徨うDracula のように、アウトリュコスは、その全身がautoerotism の性感帯である。自家生殖しようとする如く、もう一体のアウトリュコスを孕んだ奇形嚢腫を潜めている。  Odysseusの放浪は、アウトリュコス的な輪郭の彷徨の展開、ドーナツ体を広がりの次元に転換したものである。Odysseusの運動は、催眠術にかかっているようにロボットであるかのように、スピリットはどの世代にも属さない。これは、Autolycus がOdysseusを影武者として鎧ったようなもので、命令や権力の秘密を分け合う。つまり、誰もいなくなるはずなのに、誰に入れ替わったか分からないはずなのに、身を窶したOdysseusが犬に正体を嗅ぎつけられて姿を現す限りで、その切断は正体というものを鎧わせ、この奇形嚢腫は復讐譚に(隠れている正体を暴くミステリではなく、隠れている正体を曝す復讐譚に)零落するのである。  ところで、Autolycus が盗むのは、盗まれていると漠として感じる発作からである。

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