Saturday, August 15, 2015

碧空589 遁走(・彷徨・増殖)発作の起原

589 遁走(・彷徨・増殖)発作の起原  「The Art of Hunger 」(P.Auster)が蒐集した断章を貫いてparamorph にする影(霊的形式)は、「運命に反抗する運命」式の命令である。これは、運命に(不随意に)忠実であることが(不随意に)運命に反抗することになるというイロニーである。  空腹に反抗する空腹(の技法):空腹は獰猛な胃袋が強靭な顎や口唇に不随意に上り詰めて来て区別がつかなくなるのであるが、器官の分業が取り消される位置異常の不随意性と器官が分業することの不随意性は、反抗の随意性も分業も疑う。反抗は反抗のようなものでしかない。  沈黙に反抗する沈黙(の言葉):発信と受信の分業もその分業が取り消されることも不随意であるために、沈黙に反抗しようとしても言葉は一般性の淵に沈んだまま息衝き余ることになる。  虚構に反抗する虚構(の野心):虚構の気配を消しても、正体や寿命や「私」は正体や寿命や「私」のようなものでしかない。  こうした0.9recursionは、媒体性を不随意に打ち消す擬態が擬態の気配を消せないのである。まるで、1であることに狼狽していつまでも1にならない、1にいつまでもならないことに狼狽して1だと思い出す、といった遁走・彷徨・増殖発作(a fit of fugue)の起原は、zo-oid状態に遡る。

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