碧空593 決定的瞬間
593 決定的瞬間
ミステリの「そして誰もいなくなる」野心に腹話術がかかると、それはユートピアになる。
「Quinn was nowhere」と変換されるNew York(「City of Glass」P.Auster )に迫ろうとする、あるいは物自体としてのNew York に迫ろうとする彷徨と胴震いは、媒体であることの気配を消したNew York ではなく、媒体であることの気配が消えない(媒質としての)New Yorkに出てしまう。物自体に迫ろうとすることは、Shakespeare のGlobe 座と同じようにectopia に出てしまう彷徨と胴震いの極、「世界が終わっている!」発作なのである。
「God is nowhere」と変換される決定的瞬間が、Max Workが腹話術にかかっている三つ組の位格の位置異常である。William WilsonはMax Workを通してnothing is real except chance と試みに言ってみる。しかし、決定的瞬間は、chanceであるとしてもchanceを現実にするために打ち消されて潜伏したfateがあふれ出し、ゴーストがかかっている。


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