碧空596 糸のないマリオネット状態
596 糸のないマリオネット状態
糸のないマリオネット状態とは、呼び出されなければ成らない「私」というものの、そのみひらいた裂目に面して、横断しようとすれば次元減衰した断面が0.9recursionに陥るような、「私」が鎧ったfree will がfree fall の如くしてギョッとする発作である。
Quinn(「City of Glass」P.Auster)が尋ねたPeter Stillmanの、一つ一つの動作の奇妙な二重性、内臓のような自発性が欠如して不随意なのか随意なのか分からない気配は、自由落下しているに違いない。足を踏み出せば踏み出せることが分かるが、自由落下していることに変わりもない。それは、P.Austerとして呼び出されているQuinn の発作でもある。
Quinn がPeter Stillmanを尋ねることは、Quinn がutopiaに出たかに見える。糸のないマリオネット状態のP.Stillmanは白づくめでそこに厳然としているが何か透明でそこにいない。その異様な気配は、Dracula のように場所との区別がおかされているのである。つまり、鏡には映らない。この、鏡に映らない裂目を現実にするために潜んだ陰画は、模様を浮かび上がらせるために潜んだ地が霊的ではないように、霊的ではなく、混沌に断面をつくる次元減衰(横断)に於いて、Quinn は実は効果としてutopiaから出たのである。P.StillmanはQuinn の関心(霊的予期)を映し出しているが、隠れなさから出たQuinn は(隠れなさに狼狽した)子供が目を瞑って隠れようとするように(転移発作的に)P.Stillmanが盲ではないかと思う。このようにしてQuinn は、P.Austerとして呼び出されている。


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