Sunday, November 15, 2015

碧空649 転位と鎮静

649 転位と鎮静  鉄の輪がひっそりと止まることを模様にする地としての、止まりそうになってからんからん逆戻りしてしまうことが模様に転位してしまう。模様になろうとするとその地が模様に転位してしまうように、定めない縁生の気配が消せない媒質変化は、「たけ」に呼び出しを食らって隠れない。  Rousseauを襲う追跡や陰謀の気配に変装した隠れなさが、湖中の島の牢獄に幽閉されることの至福の、精神分析的な暴露(暴かれなさ)に零落することは、鎮静であるが、転移する。  バスに乗った修学旅行の女学生の視線に無心ではいられずに不覚にも「ポウズ」をとる、それを「東京八景」の一つとして数えようとして、その模様の媒質である東京(narrator)にまで拡張した「私」が隠れていられずに不覚にも顔を赤らめる。  スワはついに劇的に(思う存分)大蛇に大変身したはずなのに、大蛇や龍が模様になることはなく、そのヒゲからしてどうも小鮒に変わったらしく、というより、小鮒の媒質である水(narrator)に転位している。(「魚服記」)  問としての命令が解かれる化は責め苦であるとしても、解が命令の媒体であることから、解の媒質である場所に命令が転位すること、narratorに転位することは何か癒しのようなもの、告白がそうであるように、また物語ることが生贄であることの同毒療法であるように、それは鎮静である。

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