碧空653 the sense of some Sphinx
653 the sense of some Sphinx
被拉致の気配は、追跡や陰謀の(被窃視、被盗聴の)気配や糸のないマリオネット状態と同じく、問と解が解離しない隠れなさの効果であり、従って、実は他の誰かを要請しない。問と解が解離する限りで、種の関心は他の誰かを要請する。
覆面がどうにも脱げないように制御できない賭博は、どの目が出ようとそれは裂目を見ひらいてしまう。そこに漠として何かが潜んでいるとすれば、それはスフィンクスだ。
太宰に問いかける「たけ」が偶然の女に進化するために偶然の女の媒質になって潜伏するのを複写するように、太宰は心中する。鉄の輪がひっそりと止まるのではなく、止まりそうになっていたのにからんからん逆回りしてしまうのを、他の誰かの精にしようとするのである。
鶴女房や雪女房が、喪失した輪郭を回復しようとして禁止を破るように知らず知らず誘惑するのも、他の誰かを要請しないではいられないのであるが、鶴女房や雪女房の告白が何か復讐的な匂いがすることの源泉は、この要請である。


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