碧空665 なんと道になる!(無明!)
665 なんと道になる!(無明!)
日々の諸行と生命が圧倒的な暴力で蹂躙され、海の藻屑と消えた3.11の残骸の中から辛うじて回収された凡庸な写真が、あふれる嗚咽で胸を締めつけるのは、日常を支えていた技術の一つ、部分が全体を代表する単純化、つまり部分を試しに重んずる能力が剥き出しに黄泉返ったことが誘発した痙攣である。写真が尊厳というのではなく、この奇怪な代表こそがどこからともなく(隠れる場所もなく)迫って、卑小をおぎなって息衝き余るのである。
何よりもヒトらしいのは、希望の症状、霧のなか深々と鹿に誘われふいに断崖に出て立ち竦む(しかし小石をぱらぱら落としながらおそるおそる踏み出せばそれがなんと道になる!)無明!である。
理由は分からないが、地獄へ行くことになっている存在を案内する。


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