Tuesday, February 23, 2016

碧空716 症状の変態

716 症状の変態  のたうつが目覚めない「眠っている男」は二つに分割されている。「独身者」と「自殺者」である。 (「日記」1910年 F.Kafka)  「自殺者」は過去の重量が未来の容積を充足させ、既に未来は始まって(いて記憶と予感の区別がおかされて)いるが、「独身者」には辛うじて爪先立てるほどの瞬間しかない、と主張するのは「自殺者」であるが、すでに終わっているということではどちらも変わらない。「自殺者」は奥行があるかのように、「独身者」は奥行がないかのようにつづくのである。  流刑地としてのこの世の、「審判」のKの身にも「アメリカ」のカールの身にも起きていることは究極のリンチであるが、Kは「独身者」に偏し、カールは「自殺者」に偏している。罪を映し出す罰が問を映し出す解に緊張と裂目は何も変わらないのに症状が変態するために(転位するというだけで)「アメリカ」に顕れた「真実」のようなものは、奥行は、何か癒すように痙攣を鎮める。  オイディプスは、のたうつが目覚めない「眠っている男」である。その「知」にかかっている禁止は誘惑的で、神託に変装した「委託」は「真実」のようなものではなく、問を映し出す解が罪を映し出す罰に媒体性が転位している。そして、媒体であることの裂目が何も変わらないのに症状が変態するというだけで奇妙にも、それは何か癒すように痙攣を鎮めるのである。

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