碧空767 羞明と魅惑
767 羞明と魅惑
神聖ローマ皇帝カール四世が1357年に建造したカール橋の両側には聖徒の石像が並んでいて、折からの人気のなさと不思議な夏の黄昏の光が不安にさせる。(「日記」1916年、F.Kafka)
それは、マタマタと呼ばれる亀の甲羅が海底の岩肌に酷似しているばかりか、極端に動きが緩慢であることによって存在を消して、じっと大きく顎を開けたまま口の中の擬似餌をひちつかせて誘う気配に、何か不穏ではあるが危険の正体も方角もわからなく、何が起こっているのかも分からないために泳ぐ小魚が隠れようもなく照らし出されてはにかむようなものだ。


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