Thursday, June 16, 2016

碧空788 武者震いと腹ごしらえ

788 武者震いと腹ごしらえ  「fight-or-flight 」の、その眼状紋の美しい円を震戦を以て模写して狼狽からまるで「自由意志」のように転移した腹ごしらえが「物語からの生還」を前触れるということには、含蓄がある。空腹の旅として旅愁が蔽いかける物語からの生還、すなわち物語る目の覚醒は、旅愁がかかった空腹の目ではなく、物語の大気を時間ではなく寂漠にする猛禽類の捕食の目が「fight-or-flight 」の美しい円をえがくことだからである。  時間がかかった物語では、fight とflightとは解離して何よりも懸け離れているが、時間が脱落すると、それが何よりも似ていることが剥き出しになる。「fight-or-flight 」は離接ではなく、全体が部分の霊的形式で部分が全体を代表するように、fight はflightを代表して「LITTLE NURSE」状態になる。flightではないfight はなく、fight ではないflightはないのである。  「西遊記」は「物語からの生還」の断面である「LITTLE NURSE」状態であるが、その、突破したはずなのにいつの間にか連れ戻されている気配は、旅愁が脱落して寂漠に被曝する前触れとしての腹ごしらえのようなものである。三蔵法師一行を蔽う空腹と寂漠の間で変態する「fight-or-flight 」に抱き竦められているが、卵を抱くようでもある。

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