碧空789 副腎から出そうなエコー(ルストロン-or-カストロン)
789 副腎から出そうなエコー(ルストロン-or-カストロン)
大気浴にきている人々が喧嘩をして殺し合う。その騒ぎのなかで、発信と受信の声が交叉する、それが、「ルストロンとカストロン!」「何?ルストロンとカストロン?」(F.Kafka、ユングボルンにて 1912,7.15)であるが、副腎から出そうなエコー。
物語群は、武者震いするように腹ごしらえする、というようだ。物語ることは闘争なのか逃走なのか見極め難く、物語ることの疲労は物語らなければ解消しない。
「遅くまで家に帰らない子供たちがまだ薄闇のなかで遊んでいるが、その子たちは自分で砂に描いた線がもうよく見えない」(F.Kafka)
子供たちが空腹の余り御馳走を思い浮かべ、舌鼓を打ち、そのうち大あくびするのは、この空振りに疲れたからではない。まぼろしの料理に面して眠り込んだり失神しないように、虚構の気配の美しい円と美しい円が眠り込むのと二重に模写して大あくびするのである。
物語ることの不安も、何かこれに似ている。「迫真」と「真空」の間に、空腹と寂漠の間に、ルストロンとカストロンが解離しない美しい円を堪えるかのように大あくびが出る、というふうで、息を継ぎに水面へ浮上するのである。


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