Tuesday, June 28, 2016

碧空796 鎌首を擡げる催眠状態

796 鎌首を擡げる催眠状態  暗示で解消するような症状は、その症状そのものが不完全に(症状と症状の目的が(解としての責めと問としての責めが)解離し切らないままに)発見されて救出を待つ症状で、漠とした疚しさが眠気のように蔽いかける。つまり、暗示にかかった催眠状態なのである。  これは、Schopenhauer的なものである。暗示にかかった催眠状態の現象や犯罪は責めなのか責め苦なのか区別がおかされていて、この盲目の問は、運命、本能、意志の強制、星辰の影響、どう呼ばれるのであれ、「私」のそれではなく、「私」は種の夢に間に合わせられているに過ぎなく、易々と個を乗り越えてしまう。そのために暗示は、危機に面して猛威を振るうのである。しかし、猖獗を極める夢遊状態は、個から遠疎ることで錬金術的に個を守護するのでもある。「鉄の旋律」(手塚治虫)の、その、肩に着脱する義肢義手の、その、まるで「自由意志」で暗躍する夢遊状態の駆動力である極端に私的な復讐の念が、鎌首を擡げるように拳銃を握ってピタリ狙いを定める義手の構えに凝結してまるで「盲目」に義手が目をみひらくようなものである。  これは、姥ヶ池の主が約束の年に夜な夜な姫の枕元に通い鎌首を擡げる症状である。

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