碧空820 (誰にも見られていないが、何か隠れない)原初の捕食の瞬間へ
820 (誰にも見られていないが、何か隠れない)原初の捕食の瞬間へ
一体器官の分岐は、真剣味が緩むということなのだろうか。というのも、Tolstoi は、口のあたりに現れて目をみひらく「何か見知らぬ厳しいもの」を真剣と呼んでいるからである。口の位置に目が移動する異常は、分岐した器官が原初の捕食の瞬間へ結集するかのようであるし、あるいは危機に面して四散していたものが集結するかのようでもある。Balzacの胃袋が強靭なのも、胃袋の位置に口も目も附属肢も結集しているからである。
のぞき穴の能所が解離しない(誰にも見られていないが、何か隠れない)ポーランドとチェコスロバキアの国境のライ麦畑に憤然と潜伏する「貴婦人と一角獣」(J.Genet )や、ピンク色の花を咲かせた「鉄カブト虫」(A.Mohri )も、同じようにして、胃袋に口も性器も目も附属肢も、捕食の能所が解離しない(誰にも見られていないが、何か隠れない)原初の捕食の瞬間へ凝集している。


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