碧空834 零度の捕食
834 零度の捕食
1=0.9recursionが暗示するのは、1より細分できないということである。中間突破の威力こそは1であり、アキレスが亀を追い越すか追い越せないかは、どちらが正しいかではなく、単に、中間突破と中間突破の頓挫の間の変態に対応している。
出来事が前後に解離する限りで、先立つ出来事は後続の出来事の意味である。解離しないで蔽いかける悠久では、出来事をこの世のものにする時間も意味も解ける。
物語からの不思議な生還は、捕食の頂点にして被捕食である。物語ることは、1(或る何か)になる擬態の疲労、思考の疲労から、心臓の音(大伽藍や寄せるしき波)を探すのである。物語る目は、誰のものでもなく、私小説の野心は、物語る目が誰のものでもない気配を消すことであるが、久生十蘭の多様な(餓鬼振りともいえる)文体と素材は、附属肢の相同的変異のようなもので、咽喉から強靭な胃袋が脈動して覗いている。


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