碧空863 蝸牛の形に鬱然とするメランコリア
863 蝸牛の形に鬱然とするメランコリア
「靄が立ち込め、蝸牛がそこかしこ這い廻り、人を取り留めもない夢想に誘う」(Balzac)その、蝸牛の形に鬱然とするメランコリアは、鼻が隠れないようにではなく、海の中が逃げ場のないように救われているのか襲われているのか分からない。それは、時間から脱け出せないために出来事としてはスリップしてしまうビッグバンや、いつまでも1にならない1、というような渦巻く夢想である。
救われているのか襲われているのか分岐しない罪の相続、罪を埋め合わせるのに罪を以てする世襲は、漠として宿世の気配、海の中のような漠とした(しかし逃げ場のない)意味深さは、存在の能所がそうであるように、罪の能所も解離することと解離しないことの間に振動するのである。


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