Friday, October 14, 2016

碧空868 天空の擬態、地上の擬態

868 天空の擬態、地上の擬態  陰謀が張り巡らされる中心は財産である。しかしこれは、「私」を代表するものが財産であるということである。脅かされている中心は自由、孤独、思考であるから、脅かされている財産は「私」の財産というよりは、「私」を映し出す媒体なのである。  ところで、本当の持主が接近すると光り出す宝は、従って一般的価値に解消されないものであるから、宝は実は宝であること(値のつけようがないこと)に脅かされており、この秘密こそが陰謀の中核に潜むものなのである。  なしで済むものは日常から知らぬ間に脱落して、しかし消滅するのではなくあるいは地下室あるいは屋根裏部屋あるいは茶釜に入って祟る。ところで日常は掛け替えないのではなく、なしで済むもの全般であるから、この、安全に見える擬似済度は無明なのである。掛け替えのない日常、といった感慨は頗る混乱に冒されている。その、掛け替えのない気配が光となって消えた残骸が日常だからである。

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