碧空877 「再登場」の衝撃3(本当の宿主)
877 「再登場」の衝撃3(本当の宿主)
擬態として鎧われる「私」というものの、その系統発生的形式は、どの具体としての「私」にも移り渡り、個々の「私」が代表する自由は、この移動する「私」の自由の残骸のようなものである。しかし、この「私」の自由移動は寄生じみており、素材としての生体の接近を待ち侘びて接近するや俄然生気づいて乗り移る如くなのである。系統発生的な「再登場」の気配であるが、個々の「私」が物語から生還するのではなく、しかしまるでそうであるかのような混同と暗闇の中の悲鳴を孕んでいる。しかし「宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない」のではなく、隠れないのである。本当の持主が接近すると光り出す宝物のように、しかし見かけはそれとは逆に生体が接近すると本当の宿主がグロテスクに息づき出す。Alien の気配に隠れなくなるのは、Alien こそは本当の宿主だからである。
つまり、Alien を孕んでしまう「ALIEN3」のリプリーこそは本当のAlien であり、見てはならないおぞましい影と戦うのである。リプリーを抱き竦める戦慄は、鏡を前にして、眈々と息をひそめ涎をこらえた配管が映ってしまうスリップなのである。


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