碧空908 奇矯な遠心分離(運命の成就、懲罰という夢想、魅惑や救済)
908 奇矯な遠心分離(運命の成就、懲罰という夢想、魅惑や救済)
夢想としての懲罰は、何か埋め合わせられるのだろうかと疑うのであり、それが魅力や救済に変貌するとすれば、それはエラーじみている。
一体、救済は沈黙してしまい、公ケノモノにならない。それは、普遍的なものに誘惑されまいと抗う試煉そのものだからである。ソクラテスの「三票の差」が古典的なものの、その均衡の気配の発見(の頓挫)であるとすればそれは、運命の成就は公ケノモノにならない(complete privacy)からであるが、同時に、懲罰という夢想に魅惑されていて、浪漫的なものの奇形性を不随意に覗き込んでしまうのである。壁に写っている「三票の差」の、その影は何か過剰とも欠如とも二重性ともつかなく、この輪郭喪失は秘密を分け合うために毒を盛るような、鏡を前にして部屋が映ってしまうような黙示(エコー)である。
一般的語彙に解消することになる古典的なものと浪漫的なものとの解離は、この「エコー」に抗して、運命の成就と、懲罰という夢想と、魅惑や救済を奇矯に(まるで「誤って」)遠心分離する。


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