碧空912 世界意識の隠喩
912 世界意識の隠喩
イサクは白痴、アトムは性的白痴なのだろうか。
白痴は「壁に写る影」の禁止、封印なのではなく、「壁に写る影」が潜伏し切らないために1にならないでいる半具体、鶴女房のような隠喩そのものである。つまり、隠喩がこの世のもの(隠喩そのもの)になるためにこの世となって潜伏するのではなく潜伏し切らないで洩れるのである。こうした漏洩をPsycheは代表する。そこでは、世界と意識と隠喩は同語反復である。
Erosの「壁に写る影」がPsycheであることの、その漏洩に狼狽するのは、Dracula 伯爵が鏡を前にして部屋が映ってしまう輪郭喪失のようなもので、転移発作的に何か隠したくなって、何か禁じないではいられない。個虫が部分の振りをするように半具体は1の振りをする。ErosがVenus の姦通に先立つようにPsycheがErosに先立つことを、不覚にも隠さずにはいられない。
アトムの皮膚がツルツルに輪郭喪失しているのは、Erosの「壁に写る影」(他の誰かを要請しない性的白痴)が洩れ出しているからである。普遍的なものが偶然の個の振りをするイサクが輪郭喪失しているのは、生贄であることから洩れる息が地獄から(1が起こらない場所から)管を通されて他の誰かを要請しない白痴だからである。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home