碧空923 霊的要約2(嗜癖に見えてしまうスリップ)
923 霊的要約2(嗜癖に見えてしまうスリップ)
霊的要約(命令に昇格して潜伏して喉元まで上り詰めて来る記憶とも予感ともつかぬもの)が次元スリップして服従の運動としての出来事になるのではなく、命令の運動になってしまう、そのようなスリップ(金縛り状態)は、公ケノモノとしては(不断に突き進んでいるのに世界が終わっているために不動に見えてしまうような公ケノモノとしては)奇妙な嗜癖(mania) に見えてしまう。放浪癖や放火癖や窃盗癖や色情狂から、megalomania,monomania,paranoiaに至るまでいつまでも1にならない輪郭喪失は、「神に差し押さえられて」いる。
ドン・ファンの誘惑は、女性にVenus がかかって偶然の個の声が「霊の声に拡大」するのである。つまり、それは「神に差し押さえられて」いて被誘惑と区別がつかない。ドン・ファンは偶然の個から遁走するのではなく、偶然の個の声が「霊の声に拡大」していつまでも1にならない(逃げ場のない)狼狽から発作的に辺りを見回すか、根底の運動に転移して本能的に落下するのであるが、それが反省や遁走に見えてしまう。それは、疚しさである世界意識の、不断に突き進んでいるのに世界が終わっているために不動に見えてしまうフーガの気配である。


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