Sunday, January 08, 2017

碧空925 霊的要約4(長い夏、長い息)

925 霊的要約4(長い夏、長い息)  ミンク・スノープス(「村(長い夏)」W.Faulkner)が、漠としてどこか越境しても死体や鏡像のように公ケノモノにならないことの埋め合わせであるかのように他の誰かの死体を樹の空洞のなかに隠したり同じ死体を無月の闇のなかに探したりして藻掻くことは、南部のエクトプラズムOLD BEN(「熊」W.F)の示現を誘って道に踏み迷う彷徨の儀式のようなもので、孤独に見えて実は「神に差し押さえられて」いる。隠れないのに姿は見えなく、泥塗れにのたうって辛うじて輪郭が浮かび上がるが、それは迅速に縮んでいく。  白痴に示現した牝牛の偶然の声が「霊の声に拡大」しているように、ミンク・スノープスの偶然の闇は霊の闇に拡大していよいよ輪郭は縮み上がる。ミンク・スノープスは「ミンク・スノープスの牛を囲い込むな」と禁止しないではいられないのではなく、ひょっとすると放浪癖や放火癖や窃視癖や色情狂までもが遠心分離しかねない小男に、そのような不随意の(懲罰じみた)情熱が透けて見えてしまわないように誰かの「長い息」がかかってしまうのである。

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