碧空934 遠近法の解除に胸ガ潰レル如ク
934 遠近法の解除に胸ガ潰レル如ク
漠として予期していた何かが成就したのに何か喪失したような思いが広がるとすれば、その漠とした思いは反省ではなくして「私」が間に合わせられているのではないかと疑うのであり、そもそも自食する「私」というものに面して何か「それ」こそが疑わしいのである。反省は、解が問を映し出す次元スリップの裂目に面して(狼狽から転移発作的に逆転して)問が解を映し出すように場所や疚しさとなって眠り込む裂目に安らうが、裂目の覚醒は反省ではなく、不安である。頓悟が法則的、歴史的理解ではなくして、そうした理解を失う思いが(胸ガ潰レル如ク)広がるようなものである。解に出たはずなのに問に出てしまっているような輪郭喪失、世界意識は金縛り状態であり、奥行があるかのようにつづき奥行がないかのようにつづき、世界が不安なのか意識が不安なのか、「それ」は宙に浮く。
この、宙に浮く「それ」は、遠心分離する同時なものの殺到であるから、部分の振りをする個虫の殺到にしてPsycheがかかるのであるが、それは、遠近法の解除であるために、打ち寄せる堆く埋もれた世を背景に安らうのではなく、打ち寄せる堆く埋もれた世を埋め合わせる無も同然の絶景に胸ガ潰レル如クなのである。打ち寄せる悠久は、こうした遠近法の解除の肉薄である。


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